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しほイギリス日記
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part1 「イギリス到着からトラブル続出!!」
part2「ハンドル握ると人が変わる・・人」
part3「日帰り観光旅行」
part4 「やっぱり来た!スピード違反」
part5「プデングの怪」
part6「イギリスの日本食」

9月1日、成田発のブリティッシュ・エアウェイズでヒースローに出発する。旅行会社の人は「満席になることはまずないから、子供の席はとらなくても大丈夫でしょう」と言っていたが、運悪く私たちの便は満席だった。12時間子供を抱きっぱなしになるかと覚悟していたら、航空会社で一番前の席とベビーベッドを用意してくれたので、最悪の事態は免れた。

 12時間のフライトの中で機内食は2回。離陸してすぐ軽めの昼食が出た後、着陸の少し前に軽食が出ただけだった。私は飛行機では食欲がなくなるのでかまわなかったが、主人は「これまでの国際線で最悪だ」と言っていた。着陸時、機長がアナウンスで「ストのため、食事については皆様にご迷惑をおかけしました」と言っていた。

 生まれて初めてのイギリス、それも1年近くの滞在になるのに、ヒースロー空港に到着してもいまいち実感がわかない。ヒースローのそばにとったホテルにバスで向かう。
 ホテルに着いてチェックインノしかし、フロントで主人のクレジットカードが無効だと言われてしまう。結局現金で払うことにしたがわけがわからない。ホテルの機械が壊れているんだと勝手に決め付ける。
 やっと部屋に入り、水が飲みたいと思ったが、近くに店らしきものもないし、現金払いの客はミニバーも使えない。ふと私のカードがあることを思い出し、ビザのカードを出してみると、有効期限が切れている。間違って古い方を持ってきてしまった。あとはJCBがあるが、使えるだろうか。主人がフロントに聞いてみるとJCBでも大丈夫だとのこと。これで水が飲める。

 9月2日、ホテルを出て、空港そばのレンタカー屋に向かう。子連れなので車の方がいいと思い、あらかじめ予約してあったのだが、またここでも主人のクレジットカードが使えないと言われた。私のカードが使えたので何とか車は借りられたが、急に不安になってきた。なぜカードが使えないんだろう?1年間このままならやばすぎる。

 空港から私たちの住むことになるミルトンキーンズまでは日本でいう高速道路にあたるモーターウェイで1時間と少し。ロンドンを出て20分も走ればイギリスらしい田園風景が広がるが、まだイギリスに来たという実感がわかない。
 2時に私たちが借りる家の前で家主の代理人と待ち合わせしていた。2時少し前に着くと、すでに女性が待っていた。その女性が言うには、家主はバカンスに行っているとのこと。女性は家の鍵を開け私たちを中に入れてくれたが、早く帰りたかったのか、家の説明書とたくさんの鍵を渡すと、ロクな説明もなくすぐに帰ってしまった。

 後に残された私たちは不安なまま家の中を探検し、とりあえず水が出ることと電気がつくこと、ガスが使えることは確認した。家は3軒が棟続きになっていて、我が家はその真ん中になる。1階にはキッチンとリビング、2階には寝室が3部屋とバス、トイレ。庭もガレージもあり、日本にいたときより家はランクアップした。
 しかし、家中がものすごくペンキ臭い。ごく最近塗り替えたようだ。私は臭いだけだったし、子供も(たぶん)大丈夫そうだが、主人はのどの痛みを訴え、咳き込んでいた。庭に出てみると、テラスがあり、きれいに植木が植えられていた。隣の家の人も庭に出ていて、目があった。
 荷物を少し片付けた後、何か食べるものを買いに行こうということで外に出た。家の鍵を忘れてきたので、取りに戻ろうとしたらノドアが開かない。この家のドアはホテルみたいなオートロック式になっていて、鍵を持たないで出ると締め出しをくらってしまうのだった。

 私たちは思いっきり焦った。どこかに電話しようにも番号もわからない。ドアを壊すか、窓を割るか?どこかホテルに泊まるか?その時、さっき目があった隣人のことを思い出した。この人に頼んで鍵を開ける業者を呼んでもらおう。でも英語が通じるか?怪しい人間だと思われたらどうしよう?
 しかし、他に手段もうかばないので、思いきってドアをノックする。出てきた女性に「今日引っ越してきたんだが、鍵を家の中に忘れて外に出たら締め出されてしまった。鍵を開ける業者を呼んでもらえないだろうか」と頼んでみた。私の怪しい英語が通じたのか、電話帳で業者を呼んでくれた。しかも、来るまでの間家の中で待たせてくれたうえ、近くのスーパーの場所まで教えてくれた。

 業者が来るまでにけっこう時間がかかり、その間、何とか少しでも会話をしようと思ったが、あちらの言うことはなかなか聞き取れないし、話題はないしでなかなかつらい時間だった。やっと業者が来たが、業者はたったの30秒ほどで鍵を開けてしまった。それなのに80ポンド(16,000円)もした。痛い出費だったが、ここにいる間に一度はやっただろう。勉強代だったと思うことにする。
 大人は食欲も風呂に入る気も完全に失せたので、子供に食事をさせて早々に寝た。ところが、夜中に突然「キーンコーンカーンコーン」という学校のようなチャイムが鳴り、目が覚めた。家の中や外を見てみても誰もいない。何だこれは?

 9月3日。朝起きてからすぐペンキの臭いを消すために家中の窓を開けた。主人は昨日よりもさらに咳き込んでいて、つらそうだ。午前中は隣人に教えてもらったスーパーに買い出しに行く。主人のカードを出してみるがやっぱり使えない。全く食欲はなかったが、とりあえずサンドイッチやサラダや飲み物を買い、朝昼兼用の食事を済ませた。午後、街の中心部の方へ行ってみた。ミルトンキーンズの中心部には大きなショッピングモールがあり、ほとんどのものがそこで手に入る。いろいろ買い物をしたが、普通の店では私のJCB は使えなかった。実家から送ってもらったカードが届くまでは、現金生活だ。はたして現金はもつだろか?

 まだ食欲がないので午前中に買ったサラダで夕食を済ませて、風呂に入ろうとしたが、お湯が出ない。水が出ることは確認していたが、お湯は確認していなかった。ボイラーをいくらいじっても動かない。子供だけでも洗いたかったので、鍋や電気ポットを総動員してお湯を沸かし、1階の台所と2階の風呂場を何往復もしてお湯を張り、水を足して適温にして子供を風呂に入れる。もったいないので主人が残り湯で体を洗い、頭を洗った。私は明日入ることにする。

 変なチャイムはまだ時々鳴る。1度鳴ってまたすぐ鳴ることもあれば、何時間も鳴らないこともある。ドアベルを鳴らしてみたが、その音とは違う。ただ、玄関のあたりで鳴っていることはわかった。不思議な家だ。
 主人の咳がますますひどくなる。呼吸がヒューヒューいいはじめた。

 9月4日早朝、主人に起こされる。「もう我慢できないので、ロンドンの病院に電話して8時半に行くことにした」という。子供も起きたので、慌てて着替えだけして車に乗り、ロンドンに向かう。主人は気管支炎と診断された。原因が家のペンキだとはっきりしているので、引っ越しした方がいいとも言われた。診察代は500ポンド(10万円)以上。傷害保険に入ってはいたが、
1度立て替え払いをしなければならないのがつらい。

 診察が終わった後、せっかくロンドンに来たのだからと欲をだして中心部へ行ってみる。駐車場に車を入れ、ピカデリーサーカスのあたりを見たり、日曜日で歩行者天国になっているリージェントストリートを歩いたりしたが、気分は晴れなかった。帰りは渋滞に巻き込まれたうえ、道に迷って大変な目にあった。
 ところで、主人のカードが使えない理由がやっとわかった。主人は今回の旅費をカードで支払ったのだが、そのせいで限度額を超えてしまっていたのだ。次回の引き落とし(10月中旬)までカードは使えない。私は実家に連絡して預けてあった荷物の中から新しいカードを探してもらい、送ってもらうことにした(本当はだめなんだろうけど)。

 夕方家主に電話し、お湯が出ないというと、使いの人が来てくれボイラーを動かしてくれた。これでやっとまともに風呂に入れる、といってもシャワーだが。日本の風呂が懐かしい。チャイムのことも聞いてみたが、うまく伝わらなかったようだ。「ドアベルの電池を抜いてみたらどうだ」と言われてその通りにしてみたら、確かにチャイムは止まったが、今度はドアベルも鳴らなくなってしまう。仕方ないので、寝る時だけ電池を抜くことにした。

 夜、やっとインターネットを使ってみようという気になり、用意してもらったモデム(この家は電気、水道、ガス、電話、ネットが入居時から使えるよう契約してあった)を接続しようとしたが、ドライバーが見当たらない。今日はあきらめたが、ネットがないのがこんなに心細いとは思わなかった。

 9月5日。主人がこちらの職場に初めて行った。自己紹介や手続きを済ませた後、職場で手配してくれていたレンタカーを借り、今まで借りていたレンタカーを返しに行くことになっているが、今月分のレンタル料を払うのに、当然主人のカードは使えない。今回は私のJCBも使えないので、明日現金で支払い、その時から車を借りることにした。料金のほかにかなりの保証金をとられるらしい。それよりも悔しいのは、カードが使えないと怪しい人間という扱いを受けることだ。私はその場にいなかったが、主人はそうとう腹立たしい思いをしたようだ。

 私は1日中、家にいた。外を散歩してみたが、住宅街なのに誰も人が歩いていない。家ばかりで店がない。ここは車がないと全く生活できない場所なのだ。近所はおそろしく静かだし、テレビもないので音がない。慣れない場所で全く音がないのは心細い。日本ではテレビはあまり見なかったが、英語のわけのわからないテレビでもないよりはましだ。主人が職場でインターネット経由でモデムのドライバーを手に入れてくれたので、夜にはネットがやっとつながる。日本では選挙直前のニュースばかりだった。メールをいろんな人にうちまくった。
 9月6日朝、車がくる。540ポンド(11万円近く)を現金で払う。今日もまた寂しい昼間を過ごした。早くなんとかしなければ。夜、私と子供が風呂に入り、主人が入っていると、途中でお湯がまた出なくなってしまった。ボイラーを調べてみたが、全く動かない。だんだん腹がたってきた。

 9月7日、家主が来たので、改めて家の説明をしてもらい、ボイラーとドアベルを直してもらう。電話では変なチャイムのことはうまく伝えられなかったが、家主が来ている時にちょうど鳴ったのでわかってもらえた。テレビも近いうちには見れそうだ(※9月25日現在、まだ見れていない)。

 イギリスについて1週間、これでやっと最低限の生活はできるようになった。こちらにいる日本人の人ともメールで連絡がとれ、近日中に会えることにもなった。英語は全く聞き取れないし、ろくな話もできないが、まあ何とかやっていけるかなー、という気にもなってきた。1週間でここまでもってきたんだから、ましな方
だろう。