主訴:上の前歯が徐々に前方へ突出してきている。
   これによる口元の突出

診断:舌を突き出して飲み込む癖による上下前歯の外側
   への傾斜による両顎前突症例で、側方歯部の開咬
   と臼歯関係のズレ、下顎の前方位、口元の突出と
   不安定な顎位を伴うもの

治療:1.舌の練習(口腔周囲筋機能訓練法:MFT)
   2.上下左右の第一小臼歯4本を抜歯して
     マルチブラケットにて機能的咬合の確立
年齢:初診時10歳 治療完了時18歳

抜歯部位 上下左右第一小臼歯 治療期間:約2年9か月

リスクと副作用:
   1 歯が移動し始める時に食物を咬むと痛くて咬めな
    い時期が数日から1週間ほどあります。しかし、
    途中から痛みはなくなりますのでご安心下さい。
   2.まれに歯根の先端部が吸収して根の長さが短く
    なったり、歯茎が下がってしまう事があります。
   3.歯ブラシによる清掃が不十分な場合は装着した
    矯正装置の周囲の歯の表面が虫歯になったり、白
    く白濁する場合があります。

費用:概算 約80万円(消費税別) 詳細は
   別ページ(費用のお知らせ)を参照して下さい。


患者さんの矯正歯科治療体験談は医療機関の広告規制により、掲載できなくなりました。みささん、せっかく書いていただきたのに、ゴメンなさい。
  グットスマイル
「みさ」さん 18歳
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みささんの治療について


 最初に診せていただいたのは、今から約8年前の小学校5年生の時でした。少し口元がとがってましたが、目がくりくりで、とてもかわいかったです!
 歯の状態はだいぶ永久歯への交換が進んでいましたが、まだ乳歯の奥歯が残っている状態でした。
 しかし、問題は咬み合わせが浅く、奥歯以外は上下の歯がうまく接触していない状態で、特に前歯は外側へ押し出されて、側方歯は上下の前歯が接触しない開咬の状態でした。
  これらは、舌を突き出して飲み込む癖(舌癖)が原因と判断して、舌の練習(口腔周囲筋機能訓練法:MFT)を最初に行いました。
 一生懸命にこの練習をしていただいた結果、咬み合わせはしっかり上下の歯が接触するようになりました。永久歯も生え揃って来たので、今度は第一小臼歯を抜歯して、マルチブラケットを装着して上下の前歯を後退する治療を開始しました。

 マルチブラケットの治療期間は2年1か月で動的な治療を終了して、保定に移行して約2年になりそうです。

 みさちゃんの治療は、舌の練習をしっかやってもらったので、その後の前歯の後退を充分行う事ができ、その結果かなり口元が後退して、鼻が高く、オトガイと呼ばれる下あごの先端部がしっかり出て、とてもバランスの良い美人顔になりましたね!

 部活も矯正装置が入っていると、なかなか難しいブラスバンドを選択し、中学、高校とずっとがんばりました!
 矯正治療をするとブラスバンドは難しいという教科書に書いていることを簡単に克服してしまいました。

 同じような症状で治療を迷っている方には、本当に参考になるのではないでしょうか?
 「舌の癖」と言われて、それなんだ??と思っている方。「歯を抜いて治療しなければ治らない」と言われてショックを受けている方には、
勇気と希望をきっと与えてくれることでしょう。

 これから治療される方の事を考えて、自分の写真のこのHPへの掲載を許していただいたみさチャンには、心より感謝します。

 なんとなく、それほど悪くなさそうに見えますが、犬歯とその後ろの歯がうまく接触していない「開咬」になっています。    
 上下の前歯にはデコボコがほとんどありませんが、これは舌の癖で上下の前歯が外側へ押し出されているからです。このため、口元の突出しています。
 約1年かけて、「舌の練習」口腔周囲筋機能訓練法(MFT)が終了した写真です。
 開咬がかなり改善され、上下の歯が接触して来ています。
 舌の練習が終了していから2本目の奥歯が生えるまで約1年間、観察しましたが、咬み合わせはさらにしっかりしてきました。
 いよいよ第一小臼歯を下から抜歯してマルチブラケット治療を開始しました。この写真は装置を最初に着けた時のものです。最初はちょっと痛かった!
 下の装置を着けてから2か月後。上の第一小臼歯も抜歯してマルチブラケットを装着しました。ワイヤーは一番柔らかいものから装着します。
 治療開始から4か月後。上下の前歯はおおむね並び、少し硬い四角い断面のハリガネに交換して、ゴムで犬歯の後退を開始しました。
 少しずつ抜歯したスペースに犬歯が移動して行きます。この移動に使用するパワーチェーンというゴムはカレーライスに黄色く染まってしまいます。
 かなり犬歯の後退が進んでいます。ここまでで、マルチブラケット治療開始から8か月程度です。
 犬歯の移動も終わりに近づいたので、咬み合わせを浅くするために、下の一番奥の第二大臼歯にも装置を装着して、取り外しのゴムを使用しています。
 咬み合わせが浅くなってきました。今度はワイヤーにバネ(ループ)を曲げ込んで、前歯の後退を始めます。開始から約1年1か月です。
 上も同じように、ループで前歯の後退を開始しま。このとき、咬み合わせの深さも調節します。
 下の前歯はほとんど後退が終わり、上には前歯を後退するスペースが少し残っています。ここまで、治療開始から1年4か月
 下の前歯の後退は終了したので、仕上げのハリガネに変更し、上の前歯は引き続き、取り外しのゴムを併用しながら後退してます。
 マルチブラケット治療開始から2年1か月で仕上げを終わって、マルチブラケットを撤去した写真です。上下でしっかり咬んでいますね!
 抜歯したスペースは完全に閉鎖しています。こう見ると歯の本数が足りないようには見えないですね!